知らなきゃ恥!革靴の種類や基本の用語を徹底解説

平日のスーツスタイルから休日のカジュアルファッションまで、男性のおしゃれに欠かせないアイテムといえば「革靴」です。

ただ、ひとくちに革靴と言ってもその種類は様々であり、マナーの問題も出てくるためどれを買えば良いのか困ってしまう事も多々あります。

このページでは、冠婚葬祭に使えるフォーマルな革靴からカジュアル革靴までシーンを問わず革靴の種類を総まとめし、選ぶ際の特徴を個々に解説致します。

ゆうた
形状の種類だけでなく、装飾や製法に至るまで「革靴が種類分けされるポイント」についても詳しくご紹介しますので、革靴選びに役立てていただければと思います。

革靴選びで失敗しないためには、まず種類を知ることから

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「革靴を買おう」と思って靴屋に出かけても、並ぶ革靴の種類の多さに圧倒されることは間違いないでしょう。

パッと浮かぶ超定番の革靴だけでも7種類。

  1. ストレートチップ
  2. ウイングチップ
  3. プレーントゥ
  4. モンク
  5. Uチップ
  6. ローファー
  7. ブーツ

さらにローファー1つとっても「ペニーローファー」「タッセルローファー」と言った名前が定着するほど定番の形状が複数含まれます。

ここに、革の種類や色、さらには装飾の有無や靴底の種類なんかを加えていったら、全ての革靴を種類ごとに名付けていくのは不可能です。

と言うわけでこのページでは「革靴の基本的な種類」にプラスして、ファッション誌なんかでよく名前の登場する種類に絞って紹介します。

「どんな革靴がなんと呼ばれているのか」これだけでも革靴選びをする上で大きなアドバンテージとなりますので、覚えておいて損はないと思います。

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知っておきたい革靴に関する基礎知識

革靴の種類と言うのは大雑把に言うと「見た目(形)」の種類の名前となります。

例えば、爪先に1本線の入った冠婚葬祭の定番革靴「ストレートチップ」を1つとっても、レースステーの位置で外羽根式・内羽根式と言った名称が違ったり、製法や靴底の違いで見た目が大きく変化します。

ポイントとなるのは以下の3点

  1. レースステーの違い(内羽根と外羽根)
  2. 革靴の製法の種類と名称
  3. 革靴の靴底の種類と名称

この項ではこれらと合わせ、革靴の構造と各部の名称についてご紹介します。

外羽根式・内羽根の違い

革靴(紐靴)の大別

  • 内羽根式=室内履きがルーツ=フォーマル
  • 外羽根式=屋外履きがルーツ=カジュアル

靴紐のない「ローファー」や「ストラップシューズ」に対して、一般的な靴紐を使った革靴を総称して「レースアップシューズ(紐靴)」と呼びます。

ほとんどの革靴が「紐靴」に分類されるわけですが、この紐靴にも「内羽根式」と「外羽根式」と呼ばれる2種類のタイプがあります。

この2種類は、革靴の中でも「最も印象を左右する点」であり、これが違うだけでフォーマルユースではマナー違反になるほどです。

王宮の室内履きをルーツにする内羽根式と、フィールドシューズをルーツにする外羽根式。それぞれの違いについてご紹介します。

内羽根式(バルモラル|オックスフォード)

靴紐を通す穴(アイレット)が並んだ革の部分をレースステーと呼ぶのですが、この部分を日本語では「羽根」と表現します。

この羽根の部分が革靴の甲の革と一体化している形状の物を「内羽根式の革靴」と呼びます。

名前の由来については割愛しますが、1853年に英国王室の室内履きとして考案されたデザインであり、その歴史から現代に至るまでフォーマルユースの革靴と言えばこのタイプになります。

革靴自体に凹凸の少ないデザインは見た目からして非常にフォーマルな印象であり、結婚式や葬式はもちろん休日のデートまであらゆる場面で使用できます。

「社会人として最初の革靴」を選ぶならこのタイプを選べば間違いありません。

外羽根式(ブルーチャー|ダービー)

靴紐を通す穴(アイレット)が並んだ革の部分をレースステーと呼ぶのですが、この部分を日本語では「羽根」と表現します。

この羽根の部分が革靴の甲の上に覆い被さるよう形状の物を「外羽根式の革靴」と呼びます。

名前の由来については割愛しますが、1810年頃に戦闘用の靴として考案されたデザインであり、その歴史から現代に至るまでアクティブユースの革靴と言えばこのタイプになります。

そのルーツからも想像できる通り、着脱が容易でフィット感も自在に調節できるため「行動するための履き物」として非常に理にかなった形をしています。

スニーカーの多くが外羽根式の形状を採用している事からも、その快適さは理解に容易いでしょう。

そのため、フォーマル度は内羽式と比べると低く、ビジネスシーンにおいても格式ある場面には向きません。

とは言っても営業マンなどの歩き回る職業には最適なので、礼装用の内羽根式を1足手に入れたら、2足目は外羽根式の革靴から選ぶのがおすすめです。

革靴の製法の種類

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「ハンドメイド以外は履かない」なんて革靴マニアな方もいますが、それだけ革靴の「製法」と言うのは重要なポイントだったりします。

ここで言う「製法」と言うのはつまり「底付け製法」の事です。

接着技術の進化した昨今では外観を似せることが容易になってきていますが、やはり見た目を大きく左右する点では違いありません。

そんな革靴の製法。代表的な物というと以下の物があります。

  1. グッドイヤーウェルト製法
  2. ハンドソーンウェルト製法
  3. マッケイ製法
  4. ノルウィージャンウェルト製法
  5. ノルヴェジェーゼ製法
  6. セメンテッド製法
  7. オパンケ製法
  8. モカシン製法
  9. ボロネーゼ製法
  10. ブラックラピド製法
  11. ステッチダウン製法

特に定番なのは、グッドイヤーウェルト製法とマッケイ製法。

特に革靴の「コバ」の部分の見た目に大きな違いが出て、素人目にみてもグッドイヤーウェルト製法からは特に高級感と力強さを受け取れます。

マッケイ製法はイタリア系の革靴に多く、グッドイヤーウェルト製法に比べてスッキリとフォーマルな見た目で優しい履き心地が魅力。

靴底を接着剤によって貼り合わせただけのセメンテッド製法(セメント製法)は比較的安価な革靴に多い作りとして有名です。

簡単にグッドイヤーウェルト製法やマッケイ製法のような見た目が作れますが、靴底の張り替えができないので革靴自体が消耗品となります。

ゆうた
初心者は「機械式のグッドイヤーウェルト製法」の革靴がおすすめである。という事だけでも覚えておきましょう。

革靴の靴底の種類

いわゆる「ドレスシューズ」と呼ばれるような革靴の定番といえば「革底」が定番ですが、革靴には非常に多くの靴底の種類があります。

大別すると以下の3種類が有名です。

  1. レザーソール(フォーマル向け)
  2. 合成ゴムソール(フォーマル&ビジネス向け)
  3. ラバーソール(ビジネス&カジュアル向け)

ラバーソールの中では以下の5種類が定番とされています。

  1. ダイナイトソール(ビジネス&カジュアル向け)
  2. リッジウェイソール(ビジネス&カジュアル向け)
  3. ラグソール(カジュアル向け)
  4. クレープソール(カジュアル向け)
  5. スポンジソール(カジュアル向け)

基本的にビジネスシーンなどで使う革靴といえば、フォーマルユースを考慮してレザーソールにするか、見た目と機能性の両面を取て合成ゴムソールにするか、機能性を最優先してラバーソールにするかと言うのが一般的な選び方となります。

レザーソールには後付けでラバーを貼り付ける事ができますが、ラバーソールをレザーにする事はできないため、一概にどちらの方が優れていると言う事はありません。

また最近では、ローファーなどにワークブーツなどに使用されるラグソールを取り付けたモデルなども人気があります。

こう言ったデザインもビジネスシーンでは許容範囲な空気もあるため、ソールの種類も覚えておくと好みの革靴を見つける手立てになります。

ゆうた
足で稼ぐお仕事ならラバーソールの中から選びましょう。そうでない場合はレザーソールを選んで、使いにくかったらラバーを貼るのがおすすめです。

革靴の各パーツと名称について

数字 名称 特徴
1 トゥ つま先周辺のこと。
2 ヴァンプ トゥ後方。甲の革のこと。
3 クォーター 踵と側面を覆う革。腰革。
4 カウンター 踵を包む補強部分。
5 ヒール 踵。ブロック状の部分。
6 レースステー 紐穴のついた革。羽根。
7 タン 6のの内側。靴紐から足を保護する革。
8 アイレット 紐を通す穴。
9 コバ ソールやヒールの側面。木端。
10 アッパー ソールの接合箇所より上の部分全て
11 ライニング 裏地。踵部分はカウンターライニングとも。
12 バックステー 踵の縫製を保護するパーツ。
13 かんぬき止め レースステー最下部の補強パーツ。
14 トップライン 履き口の最頂部。

革靴の紹介文では当たり前のように「ライニングにはゴアテックスを〜」「コバ部分の張り出しが〜」なんて言葉が並びます。

これらの用語を覚えておけば、メーカーやショップの商品紹介文を読んだ時に、どの部分に特徴が現れているのかなどを理解できます。

特徴から魅力まで。革靴の種類一覧

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さてここからは、革靴の種類について、いわゆる「一般的なもの」に絞ってご紹介いたします。

  1. ストレートチップ
  2. ウイングチップ
  3. プレーントゥ
  4. モンクストラップ|シングル・ダブル
  5. Uチップ|Vチップ
  6. ホールカット
  7. サドル
  8. ローファー|ビット|タッセル|ヴァンプ
  9. ブーツ|チャッカ|サイドゴア
  10. デッキシューズ
  11. ドライビングシューズ
  12. チロリアンシューズ

ストレートチップなどのように「装飾」を指す種類名もあれば、デッキシューズのように「用途」を指す種類名や、ブーツのように「形状」を指す種類名もあります。

この辺りは非常にややこしいですが、いわゆる百貨店の紳士靴売り場から靴の量販店まで、一般的な店舗でよく見かける名前に絞ってリストアップしました。

特にビジネスマンの場合は仕事用だけで2〜3足程度用意しておく必要があります。

合わせてフォーマル度についてもご紹介していますので、汎用性の高さやデザインの良さなど吟味しつつ自分好みの1足を見つけてください。

ストレートチップ |初めての革靴ならまずはコレ!

フォーマル度|冠婚葬祭OK

ストレートチップの特徴

  • オペラパンプスを除くと最もフォーマルな革靴
  • 男性のドレスシューズの基本

つま先の部分に横に1本切り返しの線が入ったデザインの革靴をストレートチップ(キャップトゥ)と呼びます。

一般的には内羽根式の仕様ですが外羽根式の仕様もそれなりに人気です。

外羽根式でも色が黒であれば冠婚葬祭は基本的に問題なくこなせます。

メンズの革靴において、タキシードに合わせるオペラパンプスを除けば、黒の内羽根ストレートチップ は最もフォーマル度の高い革靴です。

カジュアルファッションに合わせるのは問題ないですが、デニムやチノだと不釣り合いな感じになりがちです。

スラックスタイプのチノだったり、外羽根式のストレートチップや、色をブラウンにするなどすると合わせやすくなります。

ちなみにブローギングと呼ばれる穴飾りが、ストレートチップの線の上に施された物は「パンチドキャップトゥ」と呼ばれます。

ブローギングのある革靴は基本的にフォーマルな場面で使用できませんが、装飾性の低い物に限り冠婚葬祭でも使用できます。

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セミブローグ|オンオフ問わず使えるモテ革靴

フォーマル度|ビジネスまで

セミブローグの特徴

  • ビジネスからカジュアルまで広く使える人気デザイン
  • 堅苦しくないドレッシーさが魅力

イギリスでは「セミブローグ」アメリカでは「キャップトゥメダリオン」という名前で親しまれるこの革靴。

いわゆる穴飾り(ブローギング|パーフォレーション)が施されたストレートチップの事で、主に内羽根式のタイプが人気となっています。

ポイントとなるのはつま先部分に施された「メダリオン」と呼ばれる装飾です。

真面目でかしこまった印象のストレートチップに対し、落ち着いた華やかさを持っているのがセミブローグの特徴です。

ビジネスシーンメインでの使用ならブラックがおすすめですが、カジュアルコーデでの活躍を考えるとブラウン系も捨てがたいです。

ジャケパンスタイルやスラックス系のチノと合わせて、週末のドレスアップを楽しみたい。そんな方におすすめな革靴です。

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クオーターブローグ|実は新社会人に最もおすすめな革靴

フォーマル度|ギリギリ冠婚葬祭OK

クオーターブローグの特徴

  • 仕事に必要なフォーマル度は十分なおしゃれ革靴
  • ストレートチップの真面目さを保った華やかさが魅力

セミブローグからメダリオンを抜いたデザイン、もしくはパンチドキャップトゥに加えてレースステー脇などにブローギングを施した革靴をクオーターブローグと呼びます。

セミブローグがぱっと見で華やかな靴だとするなら、クオーターブローグはかなりストレートチップよりの「よく見ると華やかさのある革靴」という感じ。

大抵の場合「新社会人は内羽式のストレートチップにしておきなさい!」という意見がありますが、そこまでかしこまって出社すべきは入社式くらいです。

程よいこなれ感はマナーにうるさい人も納得のフォーマル具合で、適度に砕けた雰囲気が壁を作らずおすすめです。

社会人なら仕事用に2~3足は革靴を用意しておきたいところ。その中の1足に是非とも加えて頂きたいのがこちらです。

冠婚葬祭のマナーについては「ブローギングは絶対にダメ!」という意見と「パンチドキャップトゥやクオーターブローグ程度なら祝いの席はOK」という意見もあるため悩むところ。

ウイングチップ(フルブローグ)|フォーマル以外は全部合う革靴

フォーマル度|ビジネスまで

ウイングチップの特徴

  • 汎用性が高くビジカジスタイルの鉄板革靴
  • クラシカルでカントリー調なおしゃれ革靴

つま先の部分に羽を模したW字型の切り替え線が入ったデザインの革靴をウイングチップ(フルブローグ)と呼びます。

名前の種類が二つある理由は、イギリスではフルブローグ、アメリカではウイングチップと呼ばれており、ブランド毎に呼び名が違っているためです。

日本では一般的に「ウイングチップ」という呼称が定着しているような感じがします。

基本的にはどのウイングチップも穴飾り(ブローギング |パーフォレーション)やメダリオンが施されており、穴飾りの無いウイングチップは非常に少数派です。

革に複雑な加工が施されているためブラウン系のカラーだと平年変化が色濃く出て味わい深くなる点も革靴好きから愛される理由の1つ。

フォーマルな場面では使えませんがスーツスタイルとの相性も非常によく、ビジネスシーンをおしゃれに彩ってくれます。

チノパンやデニムとも非常に合わせやすく、ジャケパンコーデはもちろん革ジャンやブルゾンなどのアメトラスタイルにもぴったりです。

プレーントゥ|最もベーシックな万能革靴

フォーマル度|冠婚葬祭OK

プレーントゥの特徴

  • カジュアル要素の強いオールラウンダーな革靴
  • シンプルで奥深く革靴職人の良し悪しがモロに出るタイプ

つま先になんの装飾もないツルンとした見た目のプレーントゥ。

一般的にプレーントゥというと外羽根式の革靴をイメージする事が多いですが、もちろん内羽式の仕様も存在します。

外羽根式のプレーントゥでもそのシンプルな見た目が故に、冠婚葬祭などのフォーマルな場面においても比較的問題なく使用できます。

飾り気の無い見た目なので木型(ラスト)の形状やシルエットがモロに影響するため、ダサい革靴は露骨にダサさが出てしまう難点があります。

カジュアル向けではドクターマーチンなどの短靴から、ドレスシューズとしてはジョンロブの内羽式など、プレーントゥはとにかくブランド毎に雰囲気がガラリと変わります。

しかしどんなタイプであれ見た目がシンプルなため、ビジネススーツに合わせやすいのはもちろん、略礼服から休日のカジュアルまで幅広く使える優等生です。

モンクストラップ(シングルモンク)|ビジネスで使える紐無し靴

フォーマル度|ギリギリ冠婚葬祭NG

モンクストラップの特徴

  • 比較的お堅い職場でも使える唯一の紐無し靴
  • 足元にアクセントが出せる便利な1足

修道士(モンク)が履いていた靴をルーツに持つ「モンクストラップ」。

詳しくは後述しますが、ストラップが1本のモンクシューズを「モンクストラップ(シングルモンク)」と呼び、ストラップが2本あるタイプは「ダブルモンク」という名前で呼びます。

英国王室で履かれた事でドレス靴としての地位を獲得し、紐無し靴では最もフォーマル度が高く例外的にかしこまった場面でも使えるのがこの靴の良いポイント。

しかし、ビジネスユースのイメージが強いため冠婚葬祭で履くとマナーに厳しい方から小言を言われる可能性もあるので要注意。

一般的にはプレーントゥなタイプが定番ですが、ストレートチップになっているモンクストラップも人気のデザインです。

バックル部分がアクセントとなり、ロングノーズな見た目が強調されて足をすっきり見せる効果がある、いわゆる「モテ靴」です。

基本的にスラックスとの相性がよく、デニムパンツでも細めのシルエットならキレイにまとまります。

革が足に馴染んでくるとストラップに触れずとも脱ぎ履きが可能となるため、めんどくさがりな方にもおすすめな革靴です。

ダブルモンク|シングルより華やかでドレッシーな印象の革靴

フォーマル度|ギリギリ冠婚葬祭NG

ダブルモンクの特徴

  • 比較的お堅い職場でも使える唯一の紐無し靴
  • シングルモンクよりは若干着こなしテクが必要

アッパーを覆ういわゆる「シュラウド」のような形の革の端部に2つのストラップとバックルが設置されたダブルモンク。

その始まりは、ウェルドレッサーとして知られるウィンザー公こと英国王エドワード8世がジョンロブに作らせたウィリアムが原点だと言われています。

そのルーツや歴史から、シングルモンクと並びドレスシューズとして比較的お堅い職場等でもビジネスユースに使えます。

ちなみにダブルモンクは飛行士が履くアビエイターブーツをヒントに仕立てられた「飛行士の靴」。

名前こそ「モンク」ですが、修道士とは全く関係がない点も面白いポイントです。

ビジュアル的には「お堅い職場で使える革靴」の中でもとりわけ華やかでカジュアルな印象をまとっており、アフター5やデートの予定がある日なんかにぴったりな印象です。

もちろん、グレーのシャツやサックスブルーのシャツといった王道のスーツスタイルにもビシッと使えて、カジュアルシーンではロールアップしたジャケパンなんかとも相性抜群です。

Uチップ(Vチップ)|オンオフ問わず活躍するカントリー調な革靴

フォーマル度|ビジネスまで

Uチップの特徴

  • 履き心地や歩き心地を重視したモデルが多い
  • 足元に存在感を持たせてファッションを格上げ出きる

つま先(甲)の部分がU字型に切り替えられているものをUチップ、V型の場合はVチップという名前で呼びます。

原型となったのはノルウェーの漁師靴だと言われており、その事から「ノルウェーフロント」と呼ばれる事もあります。

世界的に見ると、カントリーシューズやゴルフシューズといった用途に歴史を持つため、全天候型かつリッジウェイソールなどのラバーソールが採用されながら進化してきました。

この事からスーツには不向きとされていますが、日本ではビジネスシューズとして受け入れられているので、似合う似合わないは別として会社に履いていくのは問題ありません。

スーツスタイルに合わせるならシャープなシルエットで艶やかに磨き上げたブラックのUチップなんかがおすすめです。

ホールカット|革靴にこだわるなら絶対コレ!

フォーマル度|冠婚葬祭OK

ホールカットの特徴

  • 1枚革で作り上げる優美さは革靴随一
  • カジュアルにもフォーマルにもミニマルな気品が魅力

革靴の中でも「最もシンプル」が故に「最も作るのが難しい」とされるホールカットシューズ。

革のつなぎ目はかかと以外に一切存在せず、飾り気の無さに置いては最もドレッシーでフォーマルな革靴と言えるでしょう。

革質の良し悪しが露骨に出る他、高い製造技術がないと美しく作るのは難しく、高級革靴の中でも特に「THE高級品」という風格が漂います。

とは言っても、リーガルなどで4万円程度でも購入できるため、入手する事自体は難しくありません。

タキシードのようなドレッシーな服装から、デニムスタイルのようなカジュアルファッションまで、洗練された着こなしができればジャンルを問わずおしゃれに履ける革靴です。

シルエットやラインを重要視する、非常にボディコンシャスな設計の革靴です。

サドル|クラシカルで個性的な魅力の革靴

フォーマル度|一般的な企業だとNG

サドルの特徴

  • 黒単色ならドレッシーな内羽式風革靴として使用可能
  • 2トーンならアメトラコーデと相性抜群

いわゆるプレーントゥの革靴に、内羽根式とも外羽根式とも違う「鞍(サドル)型のレザーパーツ」をレースステーとして使用した革靴がサドルシューズです。

イギリスで誕生したこの形状は「サドルオックスフォード」という名前で親しまれ、スーツスタイルでも合わせやすいワントーンかつレザーソールの物が一般的でした。

しかしアメリカに渡ってからはアイビーリーガー達から支持され、アッパーとサドル部分の色を変えたツートーンのタイプが大流行し、ソールも実用的なラバーソールが一般的となりました。

前者のタイプであればビジネスシーンはもちろん、装飾の具合によっては冠婚葬祭でも問題なく使用できます。

しかし、後者の「いわゆるサドルシューズ」の場合は、お堅い職場ではビジネスシーンでもNGなので、基本的にはカジュアルユースがメインになるでしょう。

ローファー(ペニーローファー)|ビジカジやクールビズの鉄板

フォーマル度|一般的な企業だとNG

ペニーローファーの特徴

  • プレッピーなファッションの定番革靴
  • 季節を問わず履きやすいカジュアルにおすすめな1足

履いて歩くのに紐を必要としない手軽さから「怠け者(ローファー)」という名前のついたなんとも不名誉な革靴です。

いわゆる「ローファー」と言われて真っ先にイメージされるのは、サドルと呼ばれる飾り革のついたこのタイプではないでしょうか?

この飾り革の隙間に1セント硬貨(ペニー)を挟むスタイルがアメリカの学生達に大流行した事で、ペニーローファーやコインローファーという名前が定着しました。

「怠け者」の名の通りお堅い職場では言語道断な革靴ですが、ビジカジやクールビズスタイルなどとの相性は非常に良いため、完全にビジネスNGな革靴というわけではありません。

カジュアルな場面ではプレッピースタイルに欠かせない革靴となっており、チノパンやデニムなどと合わせてアイビーリーガーよろしくアメトラなスタイルで履きたいデザインです。

ゆうた
ローファーというとペニーローファーが最も有名ですが、そのほかにも「ビットローファー」「タッセルローファー」「ヴァンプ」「キルトローファー」「オペラシューズ」などなど、スリッポンタイプの革靴は非常に多岐に渡ります。

ビットローファー|エレガントさをプラスしたローファー

フォーマル度|一般的な企業だとNG

ビットローファーの特徴

  • フォーマルからカジュアルまでドレッシーに仕上がる1足
  • ローファーなのに品格と大人の洗練を感じさせるデザイン

ペニーローファーでいうところのサドル(飾り革)が配置される部分に、馬具を模したホースビットが取り付けられたビットローファー。

そのルーツは馬具メーカーとして創業したことでも知られる老舗メゾン「グッチ(GUCCI)」だと言われています。

本来は「ホースビット」と呼ばれる2つのD字の金具がついたものを「ホースビットローファー」と呼ぶようですが、昨今ではとりあえず金具がついていれば全てビットローファーと言った感じの風潮です。

このデザインが従来の「ローファー=学生が履く靴」というイメージを払拭し、一気に「裕福なアメリカ人を象徴するアイコン」まで上り詰めました。

実際にフォーマルな場面での使用は推奨されませんがフォーマルなファッションとも相性がよく、シンプルな夏のカジュアルもビットローフォアーを合わせるだけで一気に上品な風格を纏えます。

タッセルローファー|格を上げる威厳を纏ったローファー

フォーマル度|一般的な企業だとNG

タッセルローファーの特徴

  • フォーマルなスーツスタイルにも合わせられるデザイン
  • 揺れる房飾りが足元に色気を演出する大人の風格

ペニーローファーでいうところのサドル(飾り革)が配置される部分に、タッセル(房飾り)が取り付けられたタッセルローファー。

革靴のデザインというと100年以上昔に誕生したなんてのがざらに出てきますが、タッセルローファーの誕生は1948年ごろ。最初に作成したのは「オールデン(Alden)」だと言われています。

その後タッセルローファーはアメリカ東海岸の学生を中心に大流行し。

当時の学生達がビジネスマンや弁護士になってもスーツ姿にタッセルローファーを愛用し続けた事で「弁護士の靴」なんて名前で呼ばれるようになりました。

その事から、アメリカや日本では比較的スーツスタイルにタッセルローファーは定番のスタイルとなりました。

お堅い企業ではNGな革靴ですが、最近はビジネススタイルもだいぶカジュアル化されてきている事もあり、ビジカジやクールビズ以外の場面でも履いている方をよく見かけるようになっています。

ヴァンプ|飾り気のないデザインが男らしい1足

フォーマル度|一般的な企業だとNG

ヴァンプの特徴

  • ウネリの強いモカシンがワイルドな風合い
  • ローファーの中でも非常にヤンチャなスタイル

飾り気のないシンプルなデザインの中に、力強くウネルようなモカシン縫いがインパクト抜群なヴァンプシューズ(バンプシューズ)。

爪先から甲にかけてのデザインが蛇の頭に似ている事から「コブラヴァンプ」という名前で呼ばれる事もありますが、構造だけ同じでスマートなデザインのものは「ヴァンプシューズ」と差別化して呼ばれる事もあります。

アメトラに代表されるアイビーリーガー達がこぞって愛用したフローシャイムやセバゴを筆頭に、ローファーの中では比較的「ヤンチャでワイルド」な気高さが感じられるデザイン。

シンプルな見た目なのでスーツに合わせやすいのはもちろんですが、無骨さを生かしてミリタリーなどのアメカジコーデにも合わせられます。

ブーツ(ストラップブーツ)|フォーマル以外大丈夫な万能選手

フォーマル度|ビジネスまで

ストラップブーツの特徴

  • すっきりしたデザインならビジネスシーンでも活躍
  • ブーツ故にカジュアルシーンでも使い勝手抜群

「ブーツ」というのは「シューズ(短靴)」に対する「ブーツ(長靴)」なので、1言で片付けてしまうにはあまりにも幅広いデザインを内包しています。

いわゆる「ワークブーツ」などの行動用ブーツは全般的にカジュアルユース向けとなりますが、フォーマルユースに向くデザインの履き口を高めただけのブーツタイプはビジネスシーンでも一般的には大丈夫です。

特に革靴のブーツタイプとして汎用性の高さで人気なのはストラップタイプのブーツ。

スーツスタイルでも履き口が隠れればモンクストラップのように履けますし、裾丈をコントロールすればデニムやチノと合わせてカジュアルコーデも思いのまま!

足首を保持してくれるブーツタイプは長時間歩いても疲れにくいというメリットも見逃せません。

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チャッカブーツ|素材や色で大きく変化するブーツ

フォーマル度|ビジネスまで

チャッカブーツの特徴

  • スポーツシューズをルーツに持つ絶妙なデザイン
  • 素材や色で使えるシーンを大きく変化させるシンプルな見た目

例外もありますが、チャッカブーツとはくるぶし丈で2〜3組前後のアイレットを持ち、アッパーは爪先と腰革の2パーツで構成された革靴を指します。

ポロ競技において使用するジョッパーブーツに似せたデザインで、試合後の選手が履いていたのがルーツとされています。

そのため、ポロの競技時間単位である「1チャッカ」からチャッカブーツと呼ばれるようになったと言われています。

伝統的にはカーフのスエードが使われていますが、昨今ではスムースレザーを使ったチャッカブーツなど様々なモデルが展開されています。

非常に似通ったデザインにデザートブーツやジョージブーツというものがあり、ルーツが全く違うのですが、販売される時はどれもチャッカブーツという名前のことがほとんどです。

伝統的なチャッカブーツはスポーツ由来のためダークスーツなどのフォーマルな装いには合わせないのが一般的です。

しかし、スムースレザーやグッドイヤーウェルト製法で作られたチャッカブーツは非常に外羽根式のプレーントゥに似通ったデザインとなるため、ビジネスシーンなどで履いている方も多いデザインです。

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サイドゴアブーツ |実はフォーマルな紳士靴

フォーマル度|ビジネスまで

サイドゴアブーツの特徴

  • ビジネスシーンでも大活躍なオンお不良用ブーツ
  • ブーツの中でも特にフォーマル度の高い1足

「ブーツ=カジュアル」というイメージはあると思いますし、事実フォーマルな場面でも堂々と使用できるブーツというのは日本のマナーでは存在しません。

そんなブーツの中でもサイドゴアブーツは異例の存在で、かなりフォーマル寄りな歴史を持つブーツとして知られています。

そもそもは、その起源を1830年にヴィクトリア女王のために作られているという、由緒正しきルーツを持っています。

そして、その夫のアルバート公も議会登院時に着用していたことで、名実ともに「フォーマルシューズ」という歴史があります。

とは言っても日本のマナーでは「ブーツNG」のイメージがあるため、使うのはビジネスシーンまでに留めておくのが常識的ですが、それだけスーツに合いやすいブーツである事は納得いただけるかと思います。

また、ブリティッシュトラッドの定番革靴としても知られており、カジュアルファッションにも広く取り上げられている形状です。

まさにオンオフ両用で紐なし靴なのに非常にフォーマル寄りという革靴の中でも強い個性を持つ1足と言えるでしょう。

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デッキシューズ|夏の定番といえばこのタイプ

フォーマル度|カジュアルユース

デッキシューズの特徴

  • オイルドレザーを使用した防水性の高さ
  • 雨の日でも安心の高いグリップ力

ルーツとして船乗りが愛用するタイプの靴がベースとなっているため、海辺の似合う夏のカジュアルファッションや、マリンルックにはバッチリハマります。

特に水辺で使うことをルーツに持つ靴は、元来裸足での使用が基本となるため、サンダル代わりに気軽に履きたいデザインと言えるでしょう。

ちなみに形状として一般的には、2~3組みほどのアイレットとモカシン縫いに革紐が履き口の周りに回っている革靴のことをデッキシューズとイメージするかもしれませんが、あれはただの1例にすぎません。

それだけではただの「Uチップ」です。

少々ややこしいかもしれませんが、そもそも「デッキシューズ」という形状は存在しないのです。

その名の通りデッキシューズは「濡れて滑りやすい甲板(デッキ)の上でも安心して履ける高いグリップ力と防水性を持った靴」のことをデッキシューズと呼びます。

そのため、革靴以外にもキャンバスやナイロンと言った様々な素材が使われ、形状も厳密に決められているわけではありませんし、特に重要なのは見た目よりソールの素材や溝のパターンだったりします。

形状としての特徴は「万が一海に落ちてもすぐに脱げるように履き口の開口部が広い」という点でしょうか。

革靴としてのデッキシューズなら、是非ともたっぷりと油を吸わせた防水性の高いオイルドレザーと、スペリーソールなどのグリップ力の高いソールを採用したモデルを選びたいところです。

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ドライビングシューズ|スポーティな色気を纏う革靴

フォーマル度|カジュアルユース

ドライビングシューズの特徴

  • 高機能でありながらエレガントなデザイン
  • 多くがスリッポンタイプなので脱ぎ履きが容易

革靴においてドライビングシューズというと、いわゆるヴァンプシューズの履き口の周りに革紐を通したようなデザインが一般的です。

スリッポンタイプのため脱ぎ履きが用意で適度なリラックス感がありながらも、アウトソールにはラバーが貼られて機能性も十分。

ドライブ用という事で色気のあるデザインなのと、ヒールに巻き上がったラバーなどスポーティーさも相まって人気のデザインです。

と言っても「ドライビングシューズ」はこのタイプの形状だけを指す言葉ではありません。

ドライビングシューズは今なお進化し続け、0.5mm以下の極薄なソールやペダル操作を用意にする曲線的なヒール構造などにより、多くのレーシングドライバー達の足元を支えています。

実際のところ、革靴の呼称として使われるドライビングシューズの中にも、先述したヴァンプシューズ寄りの物もあれば、ペニーローファーやビットローファーに寄ったデザインの物もあります。

また、必ずしもスリッポンタイプに限った話ではなく、チロリアンシューズに近いデザインの物も人気です。

チロリアンシューズ|無骨なスタイルで人気の短靴

フォーマル度|カジュアルユース

チロリアンシューズの特徴

  • カントリー&アウトドアのエッセンスを持つ上品な見た目
  • 登山靴をルーツにもつ快適な履き心地と耐久性

Uチップに代表されるモカシン部分を「被せモカ」によりさらに際立たせた個性的な見た目が人気のチロリアンシューズ。

元々は山岳地方で発達した登山靴や作業靴をルーツに持ち、貴族の狩猟用の靴としても使用された歴史があるようです。

基本的にチロリアンシューズは2~3組のアイレットを持つモデルを指し、アイレットの数が4組以上となるとチロリアンブーツと呼ばれるようになります。

主にラギッドソールが使用されるため、あまりスーツに合わせるのは適していませんが、色がブラックなら似合わなくもないほど不思議な魅力のある革靴です。

カジュアルなコーディネートでは非常に合わせやすく、難しいことを考えなくても使えるので初心者におすすめな1足とも言えるでしょう。

似たような形状にワラビーシューズがありますが、ワラビーは「商品名」です。

また、厳密にはチロリアンシューズとワラビーでは歴史的背景が違うため、チロリアンシューズを全部ワラビーというのは間違いですが、人気が出ると共に言葉が変化していくのは止められないでしょう。

革靴の種類まとめ

このように、革靴にはルーツや目的によって様々な種類が存在しています。

  1. ストレートチップ
  2. ウイングチップ
  3. プレーントゥ
  4. モンクストラップ|シングル・ダブル
  5. Uチップ|Vチップ
  6. ホールカット
  7. サドル
  8. ローファー|ビット|タッセル|ヴァンプ
  9. ブーツ|チャッカ|サイドゴア
  10. デッキシューズ
  11. ドライビングシューズ
  12. チロリアンシューズ

是非、それぞれの特徴を踏まえつつ、自分にあった革靴を見つけていただければと思います。

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